アクセスランキング

01位
Rプログラミング本格入門―達人データサイエンティストへの道― 
02位
統計的自然言語処理の基礎
03位
カメムシの母が子に伝える共生細菌―必須相利共生の多様性と進化― 
04位
速習 強化学習―基礎理論とアルゴリズム― 
05位
グラフ理論とフレームワークの幾何
  • ニュースメール
  • アフターサービス
  • 教科書献本のご案内
  • facebook
  • 構造計画研究所

コンピュータのなかの人工社会―マルチエージェントシミュレーションモデルと複雑系―(CD-ROM付き) 

書籍情報
ISBN978-4-320-09735-3
判型A5 
ページ数288ページ
発行年月2002年08月
本体価格4,200円
コンピュータのなかの人工社会 書影
コンピュータのなかの人工社会

本書には2つの大きな目的がある。まず1つは、マルチエージェントシミュレーションの可能性を社会現象への応用という方向に広げることである。マルチエージェントシミュレーションないしエージェントベースのシミュレーション手法は、並列処理から検索エンジンまで様々な分野で既に使われているが、最近になり社会(といっても生物全般を念頭に置いた広い概念)の理解・分析に応用しようとする動きが出ている。本書は、そのような動きを一層盛んにすることをめざしている。
 もう1つの目的は、いかにマルチエージェントシミュレーションが簡便容易にできるようになったかを示すことである。理工系と比べて人文・社会系の学問にマルチエージェントシミュレーションがなかなか浸透していかない原因の1つがプログラミングの難しさにある。もしプログラミングが不要になれば、あるいは簡単にできるようになれば、マルチエージェントシミュレーションの可能性は大きく広がるだろう。本書は、様々な具体例を示すことによって、マルチエージェントシミュレーションを試みる上での障害を減らすことをめざしている。
 株式会社構造計画研究所は、従来から社会現象への応用を念頭に置いて、マルチエージェントシミュレーションに関心を持ち、使いやすいマルチエージェントシミュレータの開発を試みてきた。その成果であるKK-MASを用いて、マルチエージェントシミュレーションの実際を垣間見てもらおうとしたのが本書である。書名である『コンピュータのなかの人工社会』とは、パソコンにKK-MASをインストールし、そのソフト上に人工的に様々なタイプの社会を構築することを意味している。
 マルチエージェントシミュレーションと呼ぶのに相応しい実験はすでに1960年代に社会科学分野で試みられている。しかし本格的なマルチエージェントシミュレーションに基づく研究は始まったばかりである。マルチエージェントシミュレーションの可能性を様々な角度から、肯定的にせよ懐疑的にせよ探ってみることが必要であり、本書がそのような動きの起爆剤になればこれにまさる喜びはない。(まえがきより抜粋)

発行元:(株)構造計画研究所/発売元:共立出版

目次

第1部 社会の新しい見方と人工社会の構築
第1章 社会への新しい接近法―マルチエージェントシミュレーションへの誘い
1.1 社会と社会の科学
1.2 マルチエージェントシミュレーションへの接近:三つの古典的な事例
1.3 方法としてのマルチエージェントシミュレーション
1.4 マルチエージェントシミュレーションの可能性
1.5 道具としてのマルチエージェントシミュレータ:MAS

第2章 「どろけい」ゲーム―単純な対抗関係から複雑な分業へ
2.1 基本モデル―「鬼ごっこ」から「どろけい」へ
2.2 モデルの拡張―現実世界へ
2.3 おわりに

第3章 テレビ視聴者の行動―実データに適合するエージェントベースモデリングの試み

3.1 テレビの視聴行動―基本モデル
3.2 個人視聴データへの適用
3.3 シミュレーション
3.4 まとめと今後の課題

第2部 生態系と進化プロセス
第4章 アリの本質―繁殖と進化の単純なモデル
4.1 シュガーモデルの概要
4.2 環境制約と調整局面
4.3 自然選択と進化局面―「無性生殖」と「自然死」
4.4 おわりに

第5章 オオカミとヒツジ―捕食・被食系における群行動の重要性
5.1 ロトカ-ボルテラ系
5.2 マルチエージェント型モデルの構築
5.3 行動パターンと空間上の広がり
5.4 被食者の環境制約
5.5 おわりに

第6章 社会ゲームと進化―繰り返し「囚人のジレンマ」と適応的戦略
6.1 モデルの概要
6.2 試行結果
6.3 考察
6.4 おわりに

第3部 ミクロな行動が創り出す秩序
第7章 地域社会の住み分け―異文化接触と分居プロセス
7.1 モデルの概要
7.2 2種エージェントによる試行
7.3 3種エージェントによる試行
7.4 分居の相互依存メカニズム
7.5 おわりに

第8章 来園者に優しいテーマパーク―混雑緩和問題と情報の共有
8.1 基本モデル
8.2 混雑情報の組み込み
8.3 おわりに

第9章 社会契約の論理と帰結―セキュリテリアンとエガリテリアンの世界
9.1 モデルの概要
9.2 分析
9.3 まとめ

第4部 国際社会のダイナミズム
第10章 戦争と同盟の国際社会―勢力均衡か世界帝国か
10.1 モデルの説明
10.2 シミュレーションの実行
10.3 まとめ

第11章 国民の統合と分裂―重層的文化と政治的アイデンティティの消長
11.1 分離主義モデルの位置づけ
11.2 シミュレーションモデルの概要
11.3 「想像の共同体」と政治的単位の大きさ
11.4 「多様性の中の統一」の困難さ
11.5 おわりに

第12章 国際環境レジームの形成―望ましい排出権取引方法の模索
12.1 システムの概要
12.2 市場取引
12.3 国内削減
12.4 強化学習
12.5 試行
12.6 所見
12.7 まとめ

第13章 国際通信レジームと交渉―料金決定をめぐる事業者間の競争と合意
13.1 公益的資源配分モデル(基本モデル)のデザインと実装
13.2 事例研究:電気通信事業と社会システム
13.3 まとめ―競争的環境下での交渉過程と合意形成
13.4 おわりに

補章 マルチエージェントシミュレータとしてのMAS
A. MASの特徴
B. マルチエージェントシミュレータの比較

関連図書
索引