数理生物学講義―【基礎編】 数理モデル解析の初歩― 

書籍情報
ISBN978-4-320-05781-4
判型B5 
ページ数240ページ
発行年月2016年10月
本体価格3,400円
数理生物学講義 書影
数理生物学講義

 本書は,生命現象に対する数理モデルの数学的解析への入門として,数理生物学(Mathematical Biology)の典型的な基礎数理モデルと関連する基礎概念,その解析に必要とされる基本的な数学的手法を解説する教科書です。本書は,大学理系学部教養課程半期の数理生物学入門相当の講義に活用されることを視野に入れた内容に限定しています。想定される講義の重要な目的は,数理生物学に現れる典型的な基本数理モデルを紹介しつつ,生物学の概念に係る数理モデル解析において用いられる基本的な数学的手法を受講生に解説することとしました。
 読者(=本書内容の講義の受講生)には,数学・数理科学系のみならず,生命科学系の学生も想定していますが,高校数学の知識,および,その延長としての大学理系学部初年次に学ぶ微分積分学,線形代数学の内容に通例含まれる基礎項目の知識を前提としています。ただし,意欲のある高校生でも取り組めるように,大学レベルのこれらの数学基礎に関わる内容については,参考書を適宜示しました。また,必ずしも数理生物学や数理生態学を専門としない授業担当者が講義のために使うことも想定し,講義の準備に足る内容を記載することにも配慮しています。そして,受講生(=読者)が理解をより深める手助けとなるように,関連する基礎的な内容の演習問題も編み込み,その詳しい(ときに発展的内容も含む)解説を巻末につけました。
 本書では,大学学部における入門的講義に活用されるのに適当な内容に厳選していますが,本書の内容の奥や先にある,さらなる数理を学ぶ参考書として,兄弟本である【展開編】(続刊)と2冊セットで,大学院におけるセミナーでの活用も想定しています。

目次

序 章 数理生物学

第1章 個体群ダイナミクス
1.1 資源
1.2 個体群
1.3 増殖
1.4 密度効果
1.5 相互作用

第2章 数理モデルとしてのねずみ算
2.1 ねずみ算モデル
2.2 未成熟期間の効果
2.3 寿命の効果
2.4 より一般的なねずみ算モデル

第3章 1次元微分方程式モデル
3.1 個体群サイズの変動速度
3.2 Malthus 型増殖
3.3 Gompertz 曲線
3.4 Logistic 方程式
3.5 2状態メタ個体群モデル
3.6 Allee 効果
3.7 局所安定性

第4章 1次元差分方程式モデル
4.1 離散時間ダイナミクス
4.2 平衡点の局所安定性
4.3 世代分離型個体群ダイナミクス
4.4 Logistic 写像
4.5 Cobwebbing 法
4.6 周期解
4.7 周期倍分岐
4.8 Logistic 方程式の単純差分近似
4.9 Ricker モデル
4.10 Beverton-Holt モデル

第5章 常微分方程式系モデルⅠ
5.1 種間競争
5.2 Lotka-Volterra 競争系モデル
5.3 アイソクライン法
5.4 局所安定性解析
5.5 2次元非線形1階常微分方程式系の平衡点の分類

第6章 常微分方程式系モデルⅡ
6.1 捕食者と餌の関係
6.2 餌-捕食者個体群サイズ変動ダイナミクス
6.3 Lotka-Volterra 餌-捕食者系モデル
6.4 Lyapunov 関数
6.5 Rosenzweig-MacArthur モデル
6.6 Poincaré-Bendixson の定理
6.7 Kermack-McKendrick モデル
6.8 3状態メタ個体群モデル

第7章 差分方程式系モデル
7.1 Nicholson-Bailey モデル
7.2 局所安定性解析
7.3 Nicholson-Bailey モデルへの密度効果の導入

付録A 定数係数斉次線形差分方程式

付録B 1階線形常微分方程式

付録C 2次元データへの直線のあてはめ:線形最小二乗法

付録D Taylor 展開(Taylor の定理)

付録E テント写像の分岐解析

演習問題解説

参考文献

あとがき

索 引

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  • ISBN:978-4-320-05782-1
  • 判型/ページ数:B5 / ページ
  • 発行年月:2017年05月

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