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神経インパルス物語―ガルヴァーニの火花からイオンチャネルの分子構造まで― 

書籍情報
ISBN978-4-320-05731-9
判型菊 
ページ数486ページ
発行年月2014年03月
本体価格5,000円
神経インパルス物語 書影
神経インパルス物語

 本書は,2011年に出版されたアラン・マッコマス(Alan J. McComas)著「ガルヴァーニの火花(Galvani’s Spark)」の全訳である。この本は,神経生理学分野のうち,とくに神経細胞(ニューロン)に焦点をしぼり,その電気的性質や機能の仕組みが,いかにして明らかにされてきたかを解説したものである。テーマそのもの,構成のユニークさ,また内容の豊富さにおいて,神経科学の歴史を扱ったものでは,類を見ないものである。
 ニューロン研究の歴史は古く,1791年ガルヴァーニの実験的研究により動物電気の存在が示唆されてから,ホジキン-ハクスリーの革新を経て,近年のマッキノンによるカリウムチャネルの分子構造解明まで,およそ200年の歴史がある。本書はその間の経緯を詳しく紹介している。
 神経科学の一般的知識を得たければ,論文や専門書あるいはインターネットで事足りる。しかし,ある知見がいかにして発見され,いかに解釈され,いかに論争され,最終的にいかにして決着がつけられたかについては,通常記されていない。さらには研究者の人物像などについては,正しい情報を得ることは極めて難しい。ここには,それらについて信頼性の高い記載がある。 
 本書は,ある意味で奇跡的とも言える本である。それは,科学的には膨大な知識を詳細かつ正確に提示しながら,同時にドラマ仕立ての構成をもっているからである。そのため,いわゆる歴史書とは異なり,小説のように面白く読める。さらに,本書には歴史的に貴重な図や写真が満載されており,利用価値はきわめて高い。神経生理学に携わる者には必帯の書である。
[原著タイトル:Galvni's Spark:The Story of the Nerve Impulse]

目次

1 序:インパルス
2 火花
3 追い上げる
4 解剖学者の目
5 ケンブリッジ,1904:エンジニア
6 陰極線オシロスコープ
7 符号
8 興奮と抑制
9 メッセンジャー
10 イカの巨大神経軸索
11 神経筋接合部
12 巨大軸索への電極挿入
13 戦時中
14 表舞台に現れたナトリウムイオン
15 電位固定法
16 その後
17 筋肉:新たな生理学
18 微小電極によるさらなる勝利
19 単一イオンチャネル
20 筋緊張症のヤギと偏頭痛
21 開閉するゲート
22 旅立ち
23 後記