立体イリュージョンの数理

書籍情報
ISBN978-4-320-01805-1
判型A5 
ページ数196ページ
発行年月2006年02月
本体価格2,800円
立体イリュージョンの数理 書影
立体イリュージョンの数理

 立体の知覚・認識に関する錯視を数理的に理解する枠組みを与え、それに基づいてさまざまな視覚現象を整理・説明しています。
 立体の知覚は人間の基本的な視覚能力ですが、2次元の網膜像にはそもそも奥行きの情報が欠けているため、立体を知覚するときには、私たちは予備知識や先入観などの情報を付加して網膜像を解釈しています。したがって、立体の知覚自体が偉大なイリュージョンである、ということができましょう。
 このような視点に立って、普通の知覚と錯視とを同一の数理的原理に基づいて理解しようというのが、この本の特色です。数理を用いる利点の一つは新しい状況で何が起こるかを予測できることですが、これを利用して、新しいタイプの立体錯視の可能性も探ります。
 立体の知覚・認識に関わる心理的分野に興味を持つ人、建築・彫刻・現代アートなどの立体芸術分野に興味を持つ人、手品の種などのトリックに興味を持つ人など、広い読者に楽しんでいただける奥深い書です。

目次

第1章 遠近法
1.1 遠近法の原理
1.2 遠近法作図装置
1.3 遠近法の基本的性質

第2章 遠近法と射影幾何学
2.1 平面上の点パターンとその投影像
2.2 線束と同次座標
2.3 視点の変更に伴う変換
2.4 射影空間と射影変換

第3章 立体視の三つの原理
3.1 両眼立体視
3.2 運動立体視
3.3 単眼立体視

第4章 遠近法と錯視
4.1 遠近法がもたらす距離感覚
4.2 奥行きを誇張する舞台演出
4.3 マジックロード

第5章 視点のマジック
5.1 奥行き感の喪失
5.2 実際より広く見せる写真術
5.3 アナモルフォーズ
5.4 多数で見る絵―非平面的絵画

第6章 凹凸逆転の術
6.1 遠近をあざむく立体
6.2 凹凸をあざむく照明

第7章 不可能物体の描き方
7.1 不可能物体
7.2 頂点辞書
7.3 不可能物体の典型的な描き方

第8章 不可能物体の作り方
8.1 立体の実現可能性
8.2 線形計画問題への帰着
8.3 不可能物体は本当に作れないのか?
8.4 作れるのになぜ不可能物体なのか?
8.5 もう一つの立体実現法

第9章 不可能な物理現象の創作
9.1 立体復元の自由度
9.2 自由度の分布と多面体の分解
9.3 立体の自由度を利用したイリュージョン
9.4 エイムズの部屋

第10章 両眼立体視とイリュージョン
10.1 ステレオグラム
10.2 ランダムドットステレオグラム
10.3 立体視支援装置
10.4 1枚の絵によるステレオグラム

第11章 運動立体視とイリュージョン
11.1 オプティカルフローの不確定性
11.2 ストロボスコープ

第12章 鏡のマジック
12.1 透明イリュージョン
12.2 鏡による光の反射
12.3 コーナーミラー
12.4 ロバストな角度変更ミラーについて
12.5 ハーフミラー

参考文献

索引