生態学と化学物質とリスク評価

書籍情報
シリーズ名共立スマートセレクション 【18】巻
ISBN978-4-320-00917-2
判型B6 
ページ数174ページ
発売日2017年07月11日
本体価格1,800円
生態学と化学物質とリスク評価 書影
生態学と化学物質とリスク評価

新刊

 我々の生活はリスクに満ちあふれています。日々の暮らしは満ちあふれたリスクを比べて何が良いかを選び出す,意思決定の連続です。直感で考えてしまうことが多いリスクの大きさですが,ちょっと気をつけるだけでちゃんと比べられるようになります。本書はそんなリスク評価の考え方を書いた入門書です。リスク評価の考え方を化学物質の生態リスク評価にどうやって当てはめればいいのかを中心に書いています。現代では生態系保全に反対する人はほとんどいません。けれども,どこまで守ればいいのか,守るために現代生活の利便性をどこまで放棄すべきか,という話になると,意見が分かれます。本書にはその答えは書いていません。本書では,答えに近づくには何をすべきか,どう考えれば良いのかを書きました。考え方の考え方が記された一書です。

 本書の楽しみ方は2通りあります。1つは,リスク評価の方法を知る,自分で考えることの大切さを知る,ということです。そしてもう1つは,異分野世界でのサバイバル技術です。砂の穴に放り込まれたある男が,砂の世界にとどまることになった顛末をお楽しみください。

目次

1 リスクの話をざっくりと
1.1 リスク評価の歴史を駆け足で
1.2 わからない,そこを何とか
1.3 安全と安心は別物?

2 リスクを計算してみよう
2.1 自動車のリスク
2.2 水道水のリスクと病原体のリスク

3 化学物質リスク評価の決まり事
3.1 生態リスク評価始めます
3.2 化学物質管理に関する法律
3.3 ヒト健康リスク評価の手続き的な話
3.4 生態リスク評価の手続き的な話
3.5 もっと生態学を

4 生態リスク評価の新たな視点
4.1 管理目標再点検
4.2 個体群レベルの評価手法

5 種のばらつきを考慮する
5.1 種の感受性分布(SSD)
5.2 個体群レベルのSSD
5.3 SSD批判
5.4 どちらが多くの種を守れているか
5.5 4章と5章のまとめ

6 金属の評価手法
6.1 変わる有害性
6.2 金属の存在形態とリガンドと生物リガンド
6.3 生物リガンドモデル(BLM)の基礎
6.4 金属の親和定数

7 化学物質の複合影響
7.1 濃度加算(CA)による有害性予測
7.2 CA予測からずれているんですか
7.3 加算性を超える
7.4 相乗作用や拮抗作用の出現機構
7.5 もっとたくさんの化学物質
付録 複合影響におけるLoeweの加算性の信頼区間を計算してくれるスクリプト

8 おわりに~こぼれ話の落ち穂拾い~
8.1 今さらながら本書の目的
8.2 5%以下の英雄たち
8.3 何でも比べられるtheory of everything
8.4 最後に規制科学

参考文献~もう少し詳しく知るために~

謝 辞

環境中の化学物質の生態リスク(コーディネーター 巌佐 庸)

索 引